《 毛蟹 》
◆分類→カニ
◆別名→オオクリガニ
◆甲長→最大12センチ以上
◆旬な時期→12月~3月
◆生息域→日本海・太平洋岸・アラスカ沿岸
かにみそをチャームポイントとする毛蟹は、産地がいくつもあることから
冬季だけでなく年間を通して漁獲されています。
《 この名が付いた理由と特徴 》
全身が毛まみれという姿をしていることから「毛蟹」と呼ばれるようになりました。
また、外見が大きな栗のように見えることから、別名オオクリガニとも
言われています。
毛蟹の甲羅は他のカニと違って柔らかく、短い剛毛な毛で覆われているのが特徴的です。
縦長に近い円形をしている甲羅には、側面に7つの鋭いトゲと両目の間に
4つのトゲがあるので、扱いには注意が必要です。
ハサミがついた脚の長さは他の歩脚よりも短いですが、太さについては
どの脚も同じです。
甲幅は12センチ以上、脚まで含めると最大40センチの大きさになりますが、
他のかにと比べると小柄に感じます。
食性は肉食で、「甲貝類・小魚・ベントス(底生生物)」などを捕食していますが、
ミズダコやオオカミウオの襲撃に遭うことも多々あります。
《 分類 》
毛蟹は、十脚目クリガニ科のカニに属し、黒に近い赤(あずき色)のような
体色をしています。
深海で発見されるかにと違って、水温1~15℃前後で水深30~60メートルほどの
浅い砂泥底に生息しているようです。
《 成長と漁期 》
オスとメスが生息する水深は別々となっていて、秋冬の季節がやってくると
オスはメスが住む場所を訪れます。
そしてオスは、メスの後ろから抱き付くように求愛のアピールをし、
受け入れたメスはそのままの状態で脱皮してから卵を宿します。
産卵期は4~5月、11~12月の2度にわたってありますが、産卵すると
孵化する約1年間は抱き抱えるように卵を守りながら過ごすそうです。
毛蟹の寿命は、およそ15年とズワイガニよりも少し短いですが、メスは
その間に2年もの期間を産卵に費やし、生涯の幕を下ろすこととなります。
また、毛蟹は産地によって漁獲される時期が違うため、さまざまな区域で
定められた期間に漁獲します。
※カゴの中に餌を入れて毛蟹をおびきだす、籠漁というやり方で行われています。