
《 花咲ガニ 》
◆分類→ヤドカリ
◆花咲ガニは幻の蟹?
◆脚は8本、全長70センチ以上に育つ
◆旬な時期→9月~11月
◆生息域→ベーリング海・オホーツク海
千島列島など
太くて長いトゲがたくさん付いている花咲ガニは、甲羅の中心部が
ハート型で他の蟹と違った形をしています。
《 名前の意味と特徴 》
花咲ガニは、漁獲が行われている根室市花咲町の名前と、花が咲いた姿に似ている
という2つの理由で名付けられたそうです。
花咲ガニという名前の他に、昆布を好み捕食することから「コンブガニ」
とも呼ばれています。
中には幻の蟹と呼ぶ方もいるようですが、その理由は生息区域が非常に狭く、
漁獲期間に規制がかかっていることからだと考えられます。
全長は最大70センチ・甲幅15センチと大型に育つ花咲ガニは、
歩脚が太くて短いのが特徴的です。
歩脚は8本で、そのうち2本のハサミは左よりも右のほうが大きく育ち、
身の中ではハサミの部分が一番美味しいと言われています。
他の蟹よりも身が取れやすく、コクと甘みのある味がエビに似ているとの指摘もあります。
《 分類 》
花咲ガニは、十脚目タラバガニ科にあたる甲殻類のヤドカリに属す食用かにです。
オホーツク海や千島列島などに生息していますが、分布範囲は狭く水深が
浅い所でも発見されています。
《 成長と漁期 》
花咲ガニのメスは4月下旬~7月にかけて産卵し、それから約1年間放出に向けて
抱卵します。
孵化してから約3年間、幼生は潮間帯域で成長するため、海域以外で花咲ガニを
見掛けるのは珍しいことではありません。
メスの場合、孵化から6年で成熟しますが、昆布やピリヒバ(サンゴモ科)
を食して育つのは、メスに限らずオスも同じだそうです。
また、花咲ガニの漁期は7月~9月頃までと規制がかかっているため、その限られた
期間内に籠で漁獲されています。
食べ頃は9月~10月と言われていますが、幻の蟹というだけあってなかなか
手に入らないのも現状です。